ぼー。
博士号を取ってからというもの、何かと博士号について聞かれる場面が多いので、学生や一般人向けに、このブログでも少し書いてみます。
特に多い質問が「博士ってどうやって取るの?」という質問です。
さっそく答えていきます!
そもそも博士号って何なの?
博士は(はくし、はかせ)と読みます。
何かについて詳しい人のことを博士(はかせ)って言ったりしますよね!
ただし、博士号を持っている人は博士(はくし)と呼ばれます。
正直個人的にそんなに読み方の違いとかは気にしませんが、一部気にする人もいるようですし、自分も(はくし)と読んでいます。
参考 Q0231「博士」ということばは、ハクシとハカセ、どちらが正しい読み方なのですか?漢字文化資料館読み方はさておき、
「博士号は、大学から授与される学位の一つ」
です。
大学では、いわゆる4年生の大学を卒業した人には学士(がくし)の学位を授与していますよね。
そして大学より先の大学院では、修士(しゅうし)と博士(はかせ)と呼ばれる2種類の学位を取得することができます。
場所によっては修士課程を博士前期課程と呼ぶところもあります。
博士課程に入学するためには修士を持っている必要があるので、学歴的に言えば学士(4年間)→修士(2年間)→博士(3年間)という順番になります。
博士号を取るには3つの方法がある
博士号を取得するには大きく分けて3つの方法があります。
ですがどれも「研究をして論文を書く」というのが実際にやることです。
そしてそれを大学側に認められれば博士号が授与されます。
課程博士
大学院の博士課程(博士後期課程と呼ぶ場合もあります)に進み、研究をして単位を取ったのち、博士論文が大学に認められることで博士号が授与されます。
このように、一定の期間研究をして単位を取得する場合は課程博士と呼ばれています。
簡単に言うと大学に行き学士号を取り、大学院に行き修士号を取り、さらに進学して博士課程に進むということですね。
博士号を持っているほとんどの人がこの「課程博士」で博士号を取得しています。
社会人博士(課程博士)
最近では、企業の研究者などには博士号が求められる場合もあるため、社会人として企業に勤めている方のために特別に社会人用のプログラムを設けている大学もあります。この場合は社会人博士と呼ばれていて課程博士ではあるのですが、一般的な課程博士とはカリキュラムが違ったりします。
ぼー。
論文博士
課程博士とは異なり、大学に所属して単位等は取得しません。
その代わりに自分が企業なり、どこか別の場所なりで行った研究を博士論文としてまとめて発表します。
基本的には社会人の方が企業で研究して、その内容を論文発表するという形が多いと思います。それ以外のパターンとしては課程博士にいたけど期間的に思った成果がでなくて、満期退学したのちに論文博士を取るという形ですかね。
社会人博士でやっていくのはめちゃくちゃ大変なので、論文博士なら仕事をしながらでもそれなりにできるでしょう(もちろん論文博士も取ろうと思ったら大変ですよ!)。
僕の研究室にも社会人博士が何人かいましたが、仕事終わって夜8時ぐらいから来て実験するとか、土日に実験とかでほとんど休みがなさそうでした。
ぼー。
最近では、論文博士を廃止するところが増えてきているようです。
その理由として企業で書く論文には多くの人が関わっていて、自分で行った研究でなくても筆頭著者になってたりすることがある点があります。本当に本人が研究したかどうかは論文上では分からないわけです。
課程博士で取った僕の意見では、論文書いて、研究発表したら博士号上げればいいのにって感じますけどね。大学での研究も企業での研究も、きちんと論文として認められるぐらいの成果ならやってることは変わらない気もしますし…(もちろん本人の寄与率が高ければの話ですが)
名誉博士ってどうなの?
博士と呼ばれる人の中には「名誉博士」という称号を持つ人もいます。
名誉博士は大学側が贈呈するもので、上に書いたいわゆる博士号とは別物になります。取得要件も各大学によって違いますし、論文を書いて研究をする必要がありません。
国家元首や皇族・王族、政治家、外交官をはじめ著名な文化人に贈られることが多いです。
例えば有名なところで言えば松下電気(現: Panasonic)の社長であった松下幸之助は同志社大学、慶應義塾大学、早稲田大学から名誉博士を授与されています。
博士号を取るには「研究」をして「論文」を書く!
とにかく博士号と取るためには研究をして論文を書く必要があります。
一番は大学院に進学して博士課程に在籍し、博士号を取るのが一般的ですね。
もちろん、社会人の方には社会人用のプログラムもあるので、少しでも気になったら調べてみましょう。
ぼー。